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STEP3. 勝つKPIを選定する(その2)

KPIとは

今回は前回に続き、勝つKPIを選定するステップについてご説明します。

タスク3.KPIツリーの作成 KPIの因数分解を得て業績指標の一覧リストが作成されたら、次はただの誰も見ないリストにならないように、それらを仕分けしていきます。仕分けするポイントは、自社の戦略目的やテーマにそったものに分けるのが一般的で、その指標がどういった目的を達成しようとするために設定されたのかを理解しながら仕分けを実施します。このタスクは次のKPI選定ワークショップのスタートラインを揃えるのに非常に重要なタスクになります。ただの事務的な作業にならないように、KPI管理チームは情熱を持って遂行します。 次にそれらの個別KPIを線で結んで売上に結びつけ、全体でひとつの売上を作る要素の図を作ります。この図をKPI管理の用語ではKPIツリーと呼びます。

先のオンラインショッピングの例では、売上は「アクセス人数」✕「転換率」✕「客単価」とご説明いたしました。ところがこれらだけを計測しても売上は向上しません。それぞれの要素を更に因数分解して計測し、アクションを取ることで初めて売上が向上します。 アクセス人数を例に取ってみると、いかに見込み客を呼んでくるかが勝負となります。見込み客はサーチエンジンから来る場合もあるでしょう。サーチエンジンの質を向上させるには、SEO対策を施しサーチエンジンにインデックスされているページ数を増やす必要があるでしょう。有料マーケティングチェンネルから見込み客を呼ぶには、チャンネルごとに投資対効果を上げていくことも必要でしょう。 このように日々の売り上げを構成するツリー上の要素を因数分解して、計測するべきKPIを把握することで、業績向上に向けて必要なアクションをとることができるようになります。先のKPIの因数分解とKPIツリーの作成には必要なだけ時間を使い、最低でもKPI管理を適用している事業部の、できれば全社のKPIツリーを完成させます。

タスク4.関連性・重要性の検証 KPIツリーが完成すると、その後重要で関連性のある内容に集中するためにそれぞれのKPIを下記の項目に沿って検証していきます。

• KPIの目標達成といえる数値目標は何か? • KPI目標達成にはどのようなプロセスが必要で、どれほど時間がかかるのか? • 日々そのKPIを計測していく中で、組織としてその数字から何を学べるの? • 総括してこのKPIを計測したらどうなるのか?

これらの基本的質問を振り返って自分にしてみると、意外に的を射ないKPI候補を選定してしまっていることに気づくでしょう。このタスクを通して、本来の集中しなければならないKPIを再発見することができます。

タスク5.バリューチェーン分析 バリューチェーン分析とは、インプット、プロセス、アウトプット、成果物という流れを表す論理モデルの分析手法のことです。バリューチェーン分析かを実施することで、違う視点からどのように戦略目的が実行され、計測されるべきかという、気づきを与えてくれることに貢献します。この作業を通して、戦略目的に対し最も効率的な指標の選定を行うことが可能になります。 バリューチェーン分析をするには下記のステップを実施します。

ステップ1:自社バリューチェーンの把握

最初の分析は、自社のバリューチェーンを理解することか初めます。その過程で、どのような主活動とそれをささえる支援活動があるかを把握します。それぞれの活動をレイヤーとしてまとめていきます。

ステップ2:各レイヤーのコスト把握 次に、商品企画、仕入れ、製造などの各レイヤーのコストを把握します。コストの把握をすることで、収益性などをレイヤーごとに認識することができ、無駄な部分があれば明確にすることができます。

ステップ3:バリューチェーンの強み/弱み分析 次にそれぞれのレイヤーの強みと弱みを分析します。この分析を行う際は、なるべく複数の部署の複数人で実施します。立場が違えば捉え方も違うため、複数の意見を統合的にまとめることが重要です。

ステップ4:バリューチェーンをVRIOで分析 最後にVRIOの要素で経営資源の競争優位性分析を行います。VRIOとは Value(価値)、Rareness(希少性) 、Imitability(模倣可能性)、Organization(組織)の頭文字で、経営資源を分析する際に必要とされる4つの要素を示しています。先に分類されたレイヤーごとにVRIOの要素に沿って分析をしていきます。

それぞれの分析が終われば、先のタスクで選定されたKPIがVRIO上で注力しなければいけない部分にしっくりと入っているかを確認します。もししっくり入っていない場合は、因数分解、ツリー化もしくは、バリューチェーンの強み・弱み分析のいずれかが間違っているため、再度それぞれのタスクに戻り総合的な分析をやり直します。

タスク6.KPIバランシング 最後に選定された指標について、下記の項目についてバランスよく配置、設定されているかを評価、分析します。例えば営業成績を上げるための指標を検討しているのに、コール件数等の量ばかりを追う設定になっていないか。しっかりと、コールの質も計測できるように考えて設定しているか、等を多面的に検証していきます。それぞれに正解不正解があるわけではありませんが、下記のような項目を考慮にいれてバランスが取れたKPI設定がされているかを検証していきます。

• 質と量双方の指標があるか • 主観と客観等立場を変えた指標があるか • 実効性と効率性を同時に追求できるか • 戦略目的の各要素に均等に含まれているか • 時制(過去・現在・未来)が均等に含まれているか

次回は各チームレベルでこれらのKPIをどのように選定するかについてご説明します。

次回へつづく

 

KPIとは」についてはこちらをご確認ください。

KPI管理に関するご質問はお気軽にこちらまでお寄せ下さい。

Twitter @KPITrustでも随時ご質問をお受けしております。


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