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STEP7.勝つKPIのレポーティングフレームワークを作成する(その2)


KPI レポート
勝つKPIのレポーティングフレームワークを導入得するために下記5つのタスクを実施します。

タスク1.レポーティングのために必要なトレーニングを提供する

KPI管理チームは各チームに対して、社として採用したWEBアプリなどを利用し、最適なレポーティングが出来るように指導します。ツールの使い方のみではなく、実際に各アクションを効率的に実施するまで、業務改善のプロセスを含めて綿密に指導します。KPIレポーティングはひとたびそのシステムが導入されたのであれば、週次や、月次等のレポートは迅速且つ自動的に作成される必要があります。各チームの業績指標は、最低でも半日の作業時間で月初めには必ずレポートされる必要があります。それ以上レポーティングが遅延すのであれば、計測する価値はありません。


各スタッフは先述の8対1対1のルールを適用し、重要な情報を素早く見つけられるように工夫します。必要以上にエクセルやアクセスをこねくり回しても、時間を掛けすぎて抽出される情報にさほどの重要性はありません。


タスク2.簡単に理解出来るグラフを作成する

世の中には多くの見栄えの良いグラフに関する小ネタが出回っていますが、先ずは下記ルールを守れれば問題ありません。


※下記は全てKPITrust社のKPIアプリでは対応済みです。

  • 成長率を計測する時は昨年(もしくは)同日のバーを今月のバーの横に入れる

  • 成長率は折れ線グラフで表示

  • 目標をいつも表示、目標との乖離もグラフ表示

  • 各KPIの色を揃える(今月は濃い青、昨年は灰色、成長率はオレンジ等)

  • 簡単に年次、週次、日次に見方を変えられるように

  • 月次のトレンドは過去6ヶ月が見やすい

  • グラフの標準は過去6ヶ月を常に表示するものが好ましい

  • 基本は棒グラフと折れ線の組み合わせ(レーダーやウォーターフォール等は作り手の自己満足度は高いが、読者には意味不明なことが多い)

  • ROCEと書くより、Return on Capital Employmentがと書くほうがよほど響く


タスク3.レポート用テーブルを作る

いくら見栄え良くグラフを作っても、グラフにはトレンドしか表示されません。またKPI毎に違う見た目のグラフを作ってしまう、もしくは作りたくなってしまうことも、KPIを横断的に理解するのを妨げる原因となります。日毎、週毎、月毎の数字を正しく理解するためには、KPIが違っていても統一されたテーブルを利用することが非常に重要な要素となります。

統一されたテーブルの作成により、自社が昨年より、もしくは昨月より成長しているのかどうかを容易に理解することが可能です。


タスク4.日報システムの構築

もしKPIレポーティングが年中無休で実行されず、業績会議で議論されないのであれば、業務の継続的改善からは程遠く、KPI管理が不満の対象になるだけです。先ずはKPIの計測からレポートの作成まで重複した業務がないように整理して、スムースに情報が経営層に渡るように会議体を設定することが重要です。但しこれらの会議は的確な行動が取られたかというレビューの会議であり、KPIのレポーティング会議であってはいけません。


KPIのレポーティングに定例会議が必要であると感じたのであればそれはKPIプロジェクトの失敗を意味します。KPIは24時間体制で毎朝報告されそのことにより自発的に社員が行動を起こすようにならないと意味がありません。


KPI活動を忘れ去られずに意義のある活動に進化させるためには、業績会議を設定するよりも、しっかりとしたKPI管理の日報システムを構築する必要があります。システムと聞くと何か難しい響きがするかもしれませんが、ここでいうシステムとは「仕組み」という意味で、必ずしも情報システムである必要はありません。


一方でもうひとつ重要な要素が日報システムです。目的は前日の業績を翌朝には分かる仕組みを導入し、経営の精度を上げることとなります。9時なり、10時なり社の実態に合わせ日報の提出時間を設け、各部署がその時間までに必ず日報を提出する仕組みを導入します。


KPIツールを利用すると通常メールでのレポーティング機能がついてきますが、最初は簡単なエクセルで作成したKPI計測シートの延長で構いません。各部署のKPIシートから主要指標を取り出し、その数字をダッシュボードとして作成し的確にレポートします。このことで日々の変化が見られるようになり、経営陣も数字の変化を早期に発見出来るようになります。ひと度、異常を発見したら社長や経営陣が率先して担当者を呼び寄せて、理由の説明とその場で対策を取らせることが必要です。


また、この日報に加えるべき要素は、KPIダッシュボードと同じ要素で、重要なのは目標との差分と、先月もしくは指定の期間前の数字からの成長率です。企業活動にとり成長こそがガソリンであり、成長なくしては企業そのものの運営がなりいかないことを、全従業員が理解することが何より重要です。そういう意味で、この前月、もしくは前期間との比較による成長率の記載と、それに対するアクションへの経営陣の確固たるリーダーシップが、KPI管理と会社経営の成否を決める大きなポイントとなります。


タスク5.アクションをフォローする会議体を設計する

KPI管理を軌道に載せ意味のあるものにするためには、各指標がスムースに情報が経営層に渡るようにレポーティング体制を設定することが重要でが、それと同時にそれらのKPIに付随するアクションをレビューする会議体を設定することも非常に重要です。


再三KPI管理を成功させるには「徹底力」ということを説明してきました。その「徹底力」を強化する方法のひとつが朝のチームミーティングです。各組織レベルの会議とは全く別にチーム毎に朝のミーティングを設定することを強く推奨します。朝始業時間になったら先ずはチーム毎に集まって昨日のKPI、本日の目標KPIを報告し合います。3分程度の軽いもので問題ありません。


重要なのは各人がKPIを把握していること、そのKPIには結果KPIとプロセスKPIがあること。結果KPIの目標未達成は実はさほど追及する必要はありません。重要なのはプロセスKPIが未達の場合です。メンバーの中にプロセスKPIの目標未達のメンバーがいれば必ず理由を確認し、打てる手をその場で打ちましょう。このインタラクティブな会議での、KPIに対する当日のアクションの理解が会社の業績を大きく左右します。1ヶ月もすれば問題意識を持った戦うチームが出来上がるはずです。


また、朝礼なり日報なり全社として決めたことを徹底させることは、従業員に権力のありかを理解してもらうためにも非常に重要な儀式となります。社長である貴方が決めたルールを守らない社員が一人でもいる会社の業績が上がるはずがありません。ひとたび決めたのであれば、全員が出来るまでしつこいほど徹底すること、その徹底する力が長い目で見ると企業の業績を左右します。KPI管理の導入と企業の規律は切って離すことは出来ません。


本ステップのまとめ:

継続的なレポーティング基盤は、意思決定の精度を向上させ、従業員がKPI改善のために自発的にアクションを取るように促します。



 

KPIとは」についてはこちらをご確認ください。

KPI管理に関するご質問はお気軽にこちらまでお寄せ下さい。

Twitter @KPITrustでも随時ご質問をお受けしております。


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