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経営者のトップダウンの重要性


KPI

 KPI管理はボトムアップではなくトップダウンで進めるもので、経営陣がコミットした全組織横断的に進めるべきプロジェクトです。KPI管理の成否はリーダーシップを持った経営陣がKPI管理にコミットできるかどうかにかかっています。すなわち、企業の業務執行の責任を負う役員(以下、経営トップと記します)がKPI管理の本質を理解したうえで、自ら率先して組織全体にKPI管理の導入の必要性をうったえ、運用段階においては、日々のタスクとして継続してKPIを監視し、フォローアップしていく必要があります。


 ところが、現実にはこのように理想的にコトが運ぶとは限りません。ここでは、企業の経営企画部門がKPI管理を導入しようとしているが、経営トップがKPI管理について理解しておらず、推進するモチベーションも乏しい場合の進め方についてご紹介します。




KPI管理の本質を理解してもらう

 勝つKPI管理の導入は、導入段階だけではなく、運用段階においても、経営トップ自らが積極的にアクションを取らなければならないので、経営トップが新しいKPI管理に対して完全に腹落ちすることが重要です。忙しい経営トップのために、簡潔で論理的な資料を作ることは最低限必要ですが、それだけでは十分でないこともあります。


 経営トップの性格にもよりますが、理屈には理屈で対抗しようとする場合、何故それが必要なのかという論理だけではなく、どうしてもそれが必要だという感情に訴えることも得策です。KPIプロジェクト提案のプレゼンテーションに下記のような質問や目的を紛れ込ませるとよいでしょう。


・現場の日々のオペレーションが全社的戦略とかけ離れていないか気になりませんか? ・経営指標が多すぎてうんざりしませんか? ・正しいKPIは従業員の日々の活動を全社戦略に結びつけることができる点で画期的です

・KPIプロジェクトはありきたりのレポートを素早い意思決定ツールに昇華させることができます




導入時のファシリテーターを任命する


 経営トップがしっかりKPI管理にコミットすることを表明し、専任のKPI管理チームが活動を開始するまでは、KPI管理のファシリテーターを任命します。ファシリテーターはKPI管理について豊かな経験、知識を備えている必要があります。CSF、KGI、RI、PI、KPIなどの基本的な指標の違いを頭で理解しているだけでなく、経営陣に報告する業務も含めて、意思決定権のあるマネジメントポジションでの実務経験も必須です。社内に見つけることが難しければ外部のプロを雇うことも考慮してよいでしょう。


 ファシリテーターは、経営トップがKPI管理を理解し、導入の旗振り役になるのをサポートするとともに、KPI管理の運用で中心的な実働部隊となるKPI管理チームがスムーズに活動を開始するための学習サポートも行います。





キックオフワークショップを開催する

 経営トップが参加した会議や個別の説明だけではなく、経営トップに新しい業績指標管理の導入を説明する半日程度のキックオフワークショップを開催することもお薦めです。KPI管理のヘッドになる役員だけでなく、他の役員、KPI管理チーム(正式に発足していない場合はその候補者)を一堂に集めて、以下を説明します。

・新しい業績指標管理の内容と導入手順、スケジュール

・KGI、RI、PI、KPIなどの業績指標の違い

・組織の重要成功要因を認識して業務をする重要性

・日々のKPI管理活動が全社戦略に結びついていること

・経営トップ自ら日々のタスクとして継続してKPIを監視しフォローアップすることの重要性

これにより、経営トップは、KPI管理の導入段階、運用段階において、どれくらいの労力をかければよいのかの具体的イメージを持つことができます。経営上のさまざまな問題に目配りしなければならない立場としては、これはとても重要です。さらに、運用段階で遭遇するであろう障害を事前に想定することができ、それへの対処方法(現場への介入のしかた)について余裕をもって考えることができるのです。

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